法人カードとは?

法人カードとは
を言います。
法人カードという名称が一般的ですが、法人クレジットカード、ビジネスカード、コーポレートカード、事業用カードなど名称は様々です。
法人カードの特徴
法人カードの特徴としては
という点が挙げられます。
「法人口座から引き落とせる」からこそ、会社の経費として、利用できるクレジットカードになるのです。
つまり、
という定義づけができるのです。
個人事業主の場合は、個人口座(個人の事業性口座)からの引き落としが可能です。
法人カードって、本当に必要なの?


法人経営者や個人事業主がまず気になる疑問は

というものではないでしょうか。
結論から言えば

理由は2つあります。
理由その1.会社の経費支払いも、クレジットカード決済が増えている!
以前は、会社の経費支払いは
- 現金
- 銀行振込
が主流でした。
しかし、現在は
- クレジットカード払い
- デビットカード払い
- Paypalなどの決済サービスによる支払い
- QRコード決済
- モバイル決済
- 現金
- 銀行振込
と、支払い方法が多岐にわたっています。
その中でも、
加盟店側の
導入コストが安く、
貸し倒れリスクがなく、
支払いがリアルタイムで把握できる
キャッシュレス決済(クレジットカード・デビットカード・決済サービス・QRコード決済・モバイル決済)を採用する企業が増えてきているのです。
オンラインサービスの中には
- キャッシュレス決済のみで、銀行振込には未対応
- キャッシュレス決済なら、即時利用可能だけれども、銀行振込だと3営業日後に利用可能
というものも、少なくありません。

理由その2.会社の経費支払いと、個人のプライベートな支払いは、切り分ける必要がある
「法人向けのサービスを利用するときに、法人カードがなくても、個人のクレジットカードで支払えば良いのでは?」
それもダメなのです。
個人のプライベート支払い → 個人のクレジットカードを利用 → 個人口座から引き落とし
という切り分けをしないと、税務署から「脱税」の疑いをかけられてしまいます。
それでも、多くの経営者が
- 法人の経費支払いを個人カードで支払う(「役員未払金」として処理)
- 個人のプライベート支払いを法人カードで支払う(「役員立替金」として処理)
と、混同しながら使ってしまっているのが現状です。
しかし、会計上は処理ができても、数が増えてくれば、税務署からすれば「会社のお金を横領している」「脱税している」と疑われてしまうのです。

そうならないためには、少なくとも
- 個人のプライベート支払い → 個人のクレジットカードで支払う
- 法人の経費支払い → 法人カードで支払う
と、2枚は保有して、支払いを「個人」「法人」で分離する必要があるのです。
まとめ
法人カードは
- 法人向けのサービスを利用するときに必要不可欠
- 「個人」と「法人」の支払いを切り分けるために使う
ため、法人経営者、個人事業主には必須のツールになっているのです。
法人カードのメリットとは?


メリットその1.資金繰りが楽になる
法人カードで支払う場合、法人口座からの引き落としは、1カ月後~2カ月後に設定されています。
例:三井住友ビジネスカード
お支払日:15日締め翌月10日お支払い
ですから
- 1月16日に支払い
- 2月15日に締め
- 3月10日に法人口座から引き落とし
支払いから55日後に引き落とし
- 2月25日に支払い
- 2月15日に締め
- 3月10日に法人口座から引き落とし
支払いから25日後に引き落とし
ですから、「資金繰りが25日~55日楽になる」ことになります。
- デポジット型の法人カード
- 法人デビットカード
でなければ、
メリットがあるのです。

メリットその2.ポイントが貯まる
法人カードも、個人向けのクレジットカードと同様に「ポイントが貯まる」仕組みになっています。
- 個人向けのクレジットカードのポイント還元率の相場:1.0%
- 法人カードのポイント還元率の相場:0.5%
ですので、個人向けのクレジットカードほどではありませんが、法人カードもポイントが貯まるのです。
法人カードによっては
- マイルが貯まる
- キャッシュバックがある
カードもあるため、ポイント・マイル・キャッシュバックなど金銭的な還元が期待できるのです。

試算例
毎月のカード利用額:50万円
利用する法人カードのポイント還元率:1.0%
年間のポイント総額 = 50万円 × 12カ月 × 1.0% = 6万円
1年で、6万円もの雑所得が発生することになるのです。

という方もいるかもしれませんが・・・
筆者の会社は、3名の少人数の零細企業ですが・・・
- サーバー費用
- 広告宣伝費(Yahoo!、google)
- オンラインサービス費用
- 会食費用
- 交通費
- 光熱費
- PCや周辺機器の購入
- 備品、消耗品の購入
- 出張費用(ホテル代)
- セミナー費用
- 書籍代
- 携帯料金、電話料金
- インターネット回線
と、法人カードで支払える支払いはかなり多いため、簡単に月50万円は超えてしまいます。
メリットその3.経理作業が楽になる
法人カードで支払いをすると
- 利用日
- 利用店舗
- 支払回数
- 利用金額
などの情報がWEB明細で見ることができます。
さらに
- エクセルファイル
- CSVファイル
などのファイル形式でダウンロードできるのです。
これが
親カード
追加カード
法人ETCカード
ごとに管理できるのですから
- 現金精算
- 口座振込
と比較して、各段に経理作業が楽になります。
また、
- 社員の自腹での立て替え
- 社員が立て替えた経費の申請、処理
- 現金、小口での対応
- 社員が領収書を紛失して清算できないトラブル
- 現金立て替えによる社員とのトラブル
などを回避できるメリットがあるのです。
メリットその4.商談の成功率が上がり、売上アップ
法人カードの種類もよりますが
コンシェルジュデスク
法人カードのコンシェルジュを私設秘書のように利用できます。
- 一見さんお断りのお店の予約
- 接待に向いているお店の提案・予約手配
- 接待の手土産の提案・手配
- 交通手段の提案
- イベントの提案・手配
- ゴルフ場の提案
中小企業の経営者には、秘書はいないケースが多いので、コンシェルジュデスクなどを利用することで、取引先に満足してもらえる接待が可能になります。
当然、秘書よりも、何千件、何万件と、対応しているコンシェルジュデスクの方が、引き出しが多く、どんな要望でも、よほど無理なものでなければ聞いてもらえます。
ビジネスラウンジ
法人カードの中には、銀座や東京などの都心にビジネスラウンジを設けていて、そこを商談で利用できるものがあります。
都内の企業の方であれば、オフィスで商談すれば済む話ですが
- 地方の企業の方が出張できている
- 中小企業の経営者で、自社のオフィスはみすぼらしい
というケースでは、ビジネスラウンジで商談した方が、商談の成功率が上がるケースもあります。
ビジネスイベント
法人経営者の方限定のビジネスイベント、交流会などを開催している法人カードもあります。
ネットワークを広げ、商談の機会が増えます。
メリットその5.ビジネスサービスのコスト削減
法人カードでは、ビジネスサービスの優待を行っているカードが少なくありません。
2名様以上の利用で1名様分のコース料理が無料
「2名様以上の利用で1名様分のコース料理が無料」というレストラン優待は、プラチナカードレベルの法人カードに多い特典です。
コース料理の価格が1万円であれば、月1回このサービスを利用しただけで、12万円ものコスト削減が可能になるのです。プラチナカードは、年会費が高いのですが、12万円のメリットがあれば十分に元が取れます。
ビジネスサービスの優待
- ホテル料金
- レストラン料金
- サーバー費用
- マーケティングツール
- 会計ソフト
- 宅配サービス
- レンタカー
- 贈答品のECショップ
- クラウドソーシングサービス
- インターネット広告
など、比較的一般カードでも、ビジネスサービスの優待は付いています。割引は5.0%~10.0%程度ですが、それでもコスト削減にはつながります。
メリットその6.保険でのリスクヘッジ
法人カードも、個人向けのクレジットカードと同様に
- 海外旅行傷害保険
- 海外旅行傷害保険の家族特約
- 航空便遅延保険
- 国内旅行傷害保険
- ショッピング保険
なども適用されます。
例えば
- 高価なパソコンを会社で購入した場合、壊れたとしても、ショッピング保険で補償されます。
- 追加カードを持たせた社員が海外出張中に病気になった場合も、海外旅行傷害保険で補償されます。
- 追加カードを持たせた社員が海外出張に行くときに、飛行機が飛ばずにホテルに泊まる必要がでたときも、航空便遅延保険で宿泊費が保証されます。
個人向けのクレジットカードでも、同じなのですが
- 法人の方が高額な支払いが発生する
- 法人の方が社員に対して責任がある
ため、保険が充実した法人カードでリスクヘッジできるというのも、大きなメリットがあるのです。
メリットその7.オンラインサービスがすぐに使える
近年、起業、副業の増加に伴い
様々なビジネス向けのオンラインサービスが登場しています。
- クラウドソーシング
- クラウドファンディング
- クラウドサーバー
- オンラインM&A
- オンライン契約
- オンラインチャット
- オンライン業務管理
- オンライン会議
すべてが、オンライン化、クラウド化してきているのです。
これらのサービスは「クレジット決済」がメインの支払い方法で、「口座振替」「銀行振込」にも、対応していますが、その場合は、数日確認の時間を要するものが多いのです。
法人カードのデメリットとは?

デメリットその1.コストが発生する!
法人カードにも、年会費永年無料の法人カードがありますが
大抵の法人カードには「年会費」が発生します。
デメリットその2.限度額の範囲内でしか使えない!
法人カードの場合は、カード利用日から1カ月~2カ月後に法人口座から引き落とされます。
ということは
最大で2カ月分、クレジットカード会社が支払いを立て替えてくれている状態
ということです。
法人カードの限度額の半分程度しか、1カ月では使えないのです。
- 法人カードの限度額:50万 → 1カ月に使える金額の目安:25万
- 法人カードの限度額:100万 → 1カ月に使える金額の目安:50万
- 法人カードの限度額:200万 → 1カ月に使える金額の目安:100万
- 法人カードの限度額:300万 → 1カ月に使える金額の目安:150万
です。
限度額を超えてしまえば、決済ができないので、途中で現金になったり、銀行振込になってしまいます。